タケフナイフビレッジ(越前市余川町)

 今回は4月10日に新たに竣工されました、タケフナイフビレッジ(協)の体験工房におきまして、5月16日(水)にJP委員会の皆様に実際に小出刃包丁創りを体験して頂きましたので、各 委員の皆様方にその時の感想や想いを語って頂きました。

a0067751_18241261.jpg<タケフナイフビレッジ八田事務局長より一言>
 タケフナイフビレッジ協同組合は、10社10組合員により構成されております。

 この中で7社が包丁を製造し、この内の5社が鍛冶職人、2社が刃付職人となっております。
残りの3社が別の工房でナタ・鎌・カスタムナイフ・和式ナイフなどを製造しております。この内伝統工芸士は7名(両刃包丁2名・片刃包丁1名・ナタ1名・鎌1名・研ぎ士2名)おります。

 タケフナイフビレッジでは一本一本手作りによる仕上げで、プロ用として、一般家庭用としてその切れ味を誇っています。

 川崎和男インダストリアルデザイナーによる斬新なデザインの商品が広く認められ、東京・大阪等の国際見本市では、世界の多くの人達に高く評価されました。スミソニアン博物館やクーパーヒューイット美術館・モントリオール美術館の永久展示品に選定された他、多くの商品が旧通産省のグッドデザインに認定されました。

 また、消費財の見本市では世界一を誇るフランクフルト・メッセ・アンビエンテにおいて、平成17年から3年間、越前打刃物を出展した結果、ヨーロッパの各バイヤーに高い技術が認められ、現在ドイツを中心として世界中に越前打刃物を出荷しております。

 建物は世界でも名の通った建築家で毛網氏の設計によるものです。ホール上部には鉄と火と水を表わす色調の中に神棚があり、これを中心としたコルゲート造りになっており、神棚には越前打刃物の祖、千代鶴国安を祭っております。

 伝統産業を受け継ぎ、優れた古来の技術を備えた製品の製造工程を見学デッキからご覧頂けますし、駐車場奥の体験工房「チャレンジ横丁」では、簡単に出来るキーホルダー作りから、2日間かけての本格的な手作り鍛造ナイフ教室まで、大人からお子様までたくさんのメニューで楽しめる体験教室(要予約)を開催しておりますので、皆様も是非一度体験してみてはいかがでしょうか。

<JP委員体験レポート>
a0067751_1826301.jpg(大刀氏)
 JP委員会の企画で5月16日に、ナイフビレッジにおいて打ち刃物体験を行いました。
今回は小出刃包丁です。まずは柄になる部分の加工から始まりました。炉に柄になる部分を熱く熱し、ハンマーでたたいて尖ったようにします。上手く出来るか不安をかかえながらの作業です。
 
 最初は体験施設で作業を行い、焼付け作業は実際の作業場で行い、仕上げはまた体験施設へ戻って行う流れでした。焼付け作業は一人5~6分ですから、他の人の作業中には職人さんたちの仕事ぶりを見させていただきました。
 
 包丁一丁一丁を叩いている作業を見て、大変な手間のいる仕事であるとの思いを感じました。最後は大きなグラインダーで刃を研ぎ出し、砥石で磨き仕上がりです。何とかできましたが、切れ味まではまだ分かりません。2時間半のこの体験も楽しいひとときでした。


a0067751_1827641.jpg(寺﨑氏)
 5月のJP委員会で、今話題の出刃包丁作りに挑戦することとなった。タケフナイフビレッジは色んなマスコミで紹介されていますので、何回かお伺いしたことはありました。何時もただ眺めているだけでしたので、今回体験工房が出来たと聞いたので、さっそくやってみようと言うことになったわけです。

 係員の親切な説明を受け、作業用のエプロンを付けて、製作に取りかかりました。最初は、コークスの火が赤々と燃え立つ炉の中に、地金を入れて、真っ赤に焼き、たたいて伸ばす作業をいたしました。
 
 焼けた鉄をたたく作業は、慣れていないので、すごく緊張してしまって、先生から、「寺さん、ヘッピリ腰ですよ」と言われてしまいました。鉄は意外に柔らかくなっていて、簡単に曲げたり伸ばしたり出来ました。

 次は、冷えた地金をたたいて、締め固める工程ですが、これは意外と、コツがいる作業で、ハンマーの重心が合わないと、指がしびれて、ひどく痛くなりました。続いて、焼き入れです。
刃物全体が、夕日のような色になるまで加熱し、一気に、水の中に入れれば、焼き入れが完了します。

 いよいよ、刃を研ぎ出す工程です。大きな回転砥石で、片面を研ぎ、出刃を作っていきます。最後は、仕上の研ぎ出しをし、木の柄を付ければ完成です。指導員の適切なご指導により、案外上手くできたと思っています。さっそく、試し切をしてみますと、なかなかの切れ味であり、「ニッコリご満悦」。大変充実した体験ができました。
 
 終わってみると、立ちっぱなしの作業ばかりだったので、どっと疲れが出ているのに気がつきました。


a0067751_18282455.jpg(嶋川氏)
 最初の説明で、作業の手順を簡単に説明してもらったのだが、いまだに正確に思い出せないほど、複雑な工程があることに驚いた。 でもその工程に苦戦ごとに実際に、その作業を見せてくれるので、私のような素人でも何とかついて行けたと思う。
 
 まず、小出刃の柄になる部分の加工から、始めた。炉で赤くなるまで熱して、ハンマーで叩きテーパー状にする作業では、正確にハンマーを打ち下ろすことができず、材料がすぐに冷めてしまい、炉に入れなおし熱することが数回、まさに、「鉄は熱いうちに打て」とは、この事だったと一同納得の場面だった。

 次は、刃の部分全体を、カナトコの上に置き、ハンマーで叩く作業に入った。そして、刃に溶いた泥を塗ってコンロで乾かした。それから、焼入れに入り、刃全体を赤くそれも夕日の色にまで熱して水中で冷まし、さらに200度で焼き戻し、いよいよ最終の工程の研ぎにはいった。この研ぎも、グラインダーで切刃を均一に研ぎ出しから、砥石を平らに削り、そのうえで、手研ぎで切刃を仕上げた。

 しかし、それぞれの作業での道具の使い方、どこまで進めるのかの見極めなど、職人の勘で判断するような場面が出てきて、我々は、その都度インストラクターの助言で進められたようなものだった。それでも何とか出来上がり、家庭で使ってみたころ、最初にしては、よく切れ、満足の上の出来と思っている。


a0067751_18304037.jpg(内藤氏)
 先日ナイフビレッジにて刃物の体験に参加させて頂きました。 指導員の方が製作しているのを見学している分には簡単そうに見えたのですが、いざ自分が体験するとなかなかうまくいかず大変でした。

 一応商品の格好に出来た物に焼きを入れ、持ち手の部分をハンマーにて叩き、柄がうまく入るように尖らすわけですが、これが見るとやるとの違いでなかなかうまく叩けず悪戦苦闘でした。

 続いて刃の部分を低温で叩く作業をするのですが、これまた悪戦苦闘でなかなかうまく叩けず大変苦労を致しました。次の工程が刃の部分に焼きを入れる作業ですが、焼きを入れる前に泥を塗る作業がありました。なぜ泥を塗るのか解からず、指導員にお聞きしたところ、泥を塗る事で刃の全体が均等に焼きが入るとの事でした。

 次の工程は大きい丸い砥石で刃の部分を研ぐのですが、これが又なかなかうまくいかず、仕上がった刃の部分を見てがっかり。刃が丸くなってしまいました。 他の人たちのを見ると、とてもうまく研いであり私のが一番良くなく、これまたがっかりとしました。

 最後に普通の砥石で仕上げをするのですが、元々刃先が丸く研ぐのも大変でしたが、何とか仕上げ、最後に柄を付けて何とか仕上がりました。しかし何でもそうですが、物を作る仕事はやはり経験が大事なんだと改めて思いました。最後に本当に良い体験をさせて頂きました。皆様も是非一度体験されては如何でしょうか。


a0067751_18332162.jpg(事務局 宗倉)
 まず驚いたのは作業場の暑さ。5月中旬とは言え職人さん達は皆半そでのTシャツ姿。今の時期はまだ良いけれど、夏場はそれはもう地獄の様だと言います。

 私達を指導してくださった若い職人さんは関西出身で、越前打刃物の魅力に取り付かれてこの道に入ったのだそうです。私は大変不器用なものですから、全てを自分で創ったというより、工程の半分以上はこの指導者の方に手伝って頂いたのが正直なところです。

a0067751_183441100.jpg この日は1本の包丁を2時間半かけて創った訳ですが、暑さと腕のだるさやしびれで疲労感を感じる以上に、マイ包丁が完成し切れ味を試した時の満足感の方が非常に大きかったように思えます。また改めて、職人さん達の日頃のご苦労によって、伝統ある越前打刃物が支えられている事を、身をもって感じた次第です。



タケフナイフビレッジ 
住所:越前市余川町越前の里前
TEL:0778-27-7120
URLl:http://www.chuokai-fukui.or.jp/~tkv/
営業時間:9:00~17:00
定休日:無休


タケフナイフビレッジ体験教室(要予約)
●ペーパーナイフ教室(1.5時間)800円
●研ぎ方教室(1時間)2,000円
●小出刃教室(3時間)3,000円
●小刀教室(4時間)5,000円
●カスタムナイフ教室(2日間)25,000円
その他 手軽なアクセサリー教室もございます。

by tyottoh | 2007-06-01 18:13  

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